日本史研究会卒業論文報告会(拙稿「徳川日本における歴史認識―前期水戸学をめぐって―」)

日本史研究会HPで卒業論文報告会の日程が掲示されていました(http://www.nihonshiken.jp/sig/sig-earlymodern.html)。もう終わりましたがw

懇親会での議論とそこからの考察を追記しておきます。

今回の報告では、取り立てて「わたくしは言説分析の手法を用いて前期水戸学を読んでいます」といった方法論については一切言及しませんでした。しかしながら、懇親会ではある方にそのことを言いあてられてしまいました。これは私にとってかなり嬉しい出来事でした。

ただ、その方との会話はそれだけでは終わらず、言説分析は従来の思想史の批判はしたけれども、批判自体が目的化しているため、新たな議論を提示するには至っていない、といった議論も行いました。その際は、従来の思想史との止揚を図ってはどうかというご指摘を受けましたが、わたくしはそれとは異なる構想を練っています。あくまで構想ですが…。

わたくし自身としては、言説分析、あるいはポストモダンの江戸思想史への導入方法を問い直さなければならない時期にきていると思っています。「ポストモダン」と一口に言っても、積極的に江戸思想史を読むのに用いられるのは、管見の限り、フーコーデリダドゥルーズあたりかと思います。あるいは社会学であれば、ブルデューも入れてもいいでしょう。

これに加えて、アガンベン、ナンシーなども参照できないかと模索中です(ネグリ&ハートはおそらく不可能…)。ポストモダンの議論は、「ポストモダン」で一まとめにするのが危険なほど多種多様であるように思われます。具体的にどのようにすればよいかは何ともわかりませんが、最近はそのようなことを視野に入れつつ修士論文の構想を練っています。間に合うのかしら…。←

無論、最新の理論を片っ端から導入すればいいと考えているわけでもなく、史料を軽視せよと言っているわけでもありません。むしろ史料への愛着は今回の報告により増しました。近所の大学にきわめて重要な史料があるようなので、早く行って読んでみたいと思っています。就活さえなければ…。←

研究会の詳細は後日書こうと思います。