2016-01-01から1年間の記事一覧

差別的な差別批判

差別的な差別批判 2016 年10月20日、沖縄県のヘリパッド移設工事への抗議活動に対して、大阪府警の機動隊員が行った差別発言が波紋を広げている。21日には『朝日新聞』社説も掲載された。いかにこの発言が重大な事態であるかを物語っている。しかし、ここで…

「改憲派」への一回答

8月13日の朝日新聞「声」欄掲載の、鈴木博氏による「改憲派から護憲派への質問」を拝読した。以下、鈴木氏の議論に根本的な疑義を提示することで、私なりの回答としたい。 ご投稿の質問①③については、「はい/いいえ」の二択に強制的に収斂し、自ずと改憲派…

子安宣邦『徂徠学講義』―子安思想史と言説論的転回を問う―

子安思想史(敢えてこう言う)は、従来の思想史とは区別して、自らを「言説論的転回」*1に位置づける。それは、例えば次のようにある、「言説=事件」という方法論的視座を有することによる*2。 「事件」としての徂徠学という私のアプローチは、徂徠の発言が…

三度と騙されない

社会にとって、反省することは必要不可欠である。しかし、その反省がいかなる形をとるかで、その社会の今後が決定されると思う。今回の参院選で、改憲が争点とならなかったと、安倍首相は言う。メディアもその見解を受け入れ、今後は改憲に焦点が当たると報…

主権在民の意義と国民の責任

2月7日に年間追加被曝線量1ミリシーベルトを「何の根拠もない」と言った丸川珠代氏、2月17日にオバマ大統領を「奴隷」呼ばわりした丸山和也氏など、政治家による問題発言が相次いでいる。政治家も世論も「発言撤回だ」「除名だ」「辞職だ」とまくし立てる。…

「何となく」を断ち切るために

前略 自民党参議院議員 丸山和也様 あなたが、2月17日にオバマ大統領を「奴隷」呼ばわりなさったこと、新聞にて拝読しました。またネットでは、日本が「第51番目の州」となることにも言及されたとのことも拝見しました。ご発言内容の是非を申し上げるつもり…

アメリカ支配への「棘」

10月9日、「チュニジア国民対話カルチット」にノーベル平和賞が贈られた。「九条の会」や被爆者団体はその功績や活動にもかかわらず選ばれなかった。安保法制が成立した今、この情勢を見ると、日本へのアメリカ支配が象徴的に示されているように思われる。日…

「戦後民主主義の虚妄」再考

安保法案は廃案になる気配すら見せず、それに呼応するかのように法案反対のデモも規模を拡大している。しかし、メディアを通して見ている限り、安保法案の賛成派と反対派の意見が噛み合っているようには、どうしても思えない。 その要因には、意識的にか無意…